日経ビジネス(2013年12月9日発行)に「年金はどこまで減るか?」という特集が組まれました。
国民年金は40年収めると、年間80万円貰えることになっていますが、この数字はさらなる少子高齢化の進行を計算に入れていません。
日経ビジネスの特集では、ざっくり2-3割減になるとか。
日本で海外移転届けを出し日本国外に在住の場合、国民年金の加入義務はありません。
加入を継続するには任意加入することになります。
任意加入して続けるかどうかを検討するためのポイントをあげてみます。
1.国に収めた年金は個人資産ではないので、国の裁量により受給額が減額されたり、保険料が上がられたりすることがありあます。個人年金は個人資産ですので、銀行預金と同じように保証されます。預金保証は100.000€までですが、年金保険に限度額はなく、元本は保証されます。
2.国民年金の遺族年金は18才までの子供のある配偶者に限られます。もし、自分が死んだ時に、子供が成人していれば、配偶者に受給権はありません。(国の年金は相互互助システムですので、もちろん社会に還元されます。)個人年金であれば、遺族にも受給権があります。
3.日本で今まで納めた分は老後にドイツにいても受給できます。ドイツ滞在期間も全てカラ期間として合算されます。また受給資格は今までの25年間の支払が10年に短縮されますので、ドイツ滞在中のカラ期間を足せば、ほとんどの場合受給資格は得られるかと思います。
4.日本で払っている国民年金をドイツで所得税控除するのは少し面倒です。年金料証明を取り寄せ、場合によっては公式の翻訳が必要になりそのコストもかかったりします。
5.年金はその大部分は日本国債で運用されており、運用益の低さと、先進国ではダントツ借金率の日本という国の国債自体のリスクも言及されています。万が一、日本国債が暴落することになれば、日本の年金や生命保険も影響が及びます。
6.老後にドイツをベースに暮らす場合には、円での年金を増やすと、為替相場によって受給額が左右される割合が多くなることになります。
7.上記とは逆説的ですが、通貨を分散して積み立てることで通貨リスクを分散できると考えることもできます。老後も為替のいい時に換金することができるのであれば、為替相場の変動をメリットに変えることもできます。
8.国民年金は現在40%の人が未納である。ただでさえ、少子高齢化で受給額が減少すると言われているのに、さらに未納が40%というのが現状です。今後はどうなるのでしょうか?増税、毎月保険料の増加、受給額の減少などの痛みを伴う変更はいずれ必要になるかもしれません。
9. 日本国外に移転中は国民年金の被保険者ではなく、義務加入ではないので、任意加入していない場合は障害基礎年金がおりません。国民年金保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。) が被保険者期間の3分の2以上ある者の障害の場合は障害基礎年金が支給されます。1級障害基礎年金は2013年度価格では毎月約8万円。(日本年金機構・障害基礎年金のページを参照)
またドイツに長期滞在する場合には、社会保障費を5年以上収めるとドイツの法定年金からの障害年金受給額は年々増えていきます。また個人で加入する障害年金保険も所得税控除することができます。そして、ドイツの事故保険の障害年金(病気は適用されない)でしたら低額での加入ができます。
10. 任意加入していない期間分、当然ながら年金受給額はその分減額されます。
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以上任意加入されるかどうかを決める際にはご参考になってください。
またドイツで個人年金に加入すると実際にどのくらい税金が還付されるか、障害年金に相応する保険にはどのようなものがあるかをお知りになりたい方はお問い合わせください。
* ご質問・ご相談等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
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