リスクをコントロールする

risk私達の生活の中には様々なリスクがあります。

中世以前はリスクという運命は神の範疇であって、人間がコントロールできるものとは思われていませんでした。

ところが、数学や統計学が発達し、リスクをある程度計算することができるようになり、多くの人が支えあうことで金銭的なリスクを回避するために、保険や年金制度が生まれてきました。

現在のドイツでは年金や健康保険によって部分的に保障されているものもありますが、国による保障のないリスクもありあます。

通常従業員の場合、所得税以外に年金・健康保険・失業保険・介護保険のために保険料を払っていますが、どれもそれで十分なわけではありません。年金は手取りの半分以下になるかもしれません。健康保険でカバーされているものはどんどん減っていっています。

失業保険は例えば失業してから半年とか1年しかもらえませんし、金額もそれまでの手取りよりも少なくなってしまいます。その期限後は社会保障をうけることになり、さらに低い金額になります。介護保険も場合によっては半分くらいしかカバーされません。

その他にドイツの強制保険ではカバーされていないリスクとしてはどのようなものがあるでしょうか?

稼ぎ手が早く亡くなるのも大変ですが、もっと経済的に大変なのは、事故や病気などで仕事ができず(職業不能)、さらに介護も必要な場合です。

また、人に危害を加えてしまったり物を壊してしまった際の賠償責任、訴訟にかかる費用、歯の治療代(詰め物、ブリッジ、インプラントなどの場合)、EU外での治療費なども強制保険ではカバーされていません。

リスクはカバーすることができます。またこれをカバーしていないと、いくら貯蓄をしても老後の資金を蓄えても、何か起こればそこからお金は出ていってしまいますので、まずリスクの穴を塞ぐことが土台となり、その上で楽しみのための資金や、住宅、年金などのために貯蓄していくとよいでしょう。