こんなに払っているドイツの社会保険

ドイツニュースダイジェス971号(2014年2月7日発行)に掲載の記事です。

Road To Money Cityお勤めの方なら誰もが支払っている社会保険料。いったいいくら払っているかご存じですか?

それなら給与明細を見れば分かる、と思うかもしれませんが、実はそこには本当の数字は書かれていないのです。

 普段の買い物であれば、値段はもちろん、買う目的もはっきりしていますよね。しかし、金額も、何を得られるのもよく分からずに、毎月購入している一番高い買い物が、社会保障費なのです。

今回は、その社会保険の料金と保障内容を確認してみましょう。

 社会保険料は、額面給与の実に40%に上ります(月収5950ユーロ以下の場合)。

労使折半ですから、被雇用者の負担はその半分の20%、と考えるのは間違い!会社は何も善意で20%を負担しているわけではありません。会社にとっては、その20%を含めた額が人件費。

すなわち、額面給与の120%が従業員の本当の収入額とも言えるのです。

労使折半という制度によって、被雇用者には実際に負担している社会保険料を見えにくくしてありますが、本当はすべて自分が支払っているのと同じことなのです。

額面給与を100とした場合、本当の収入は120で、その3分の1に当たる40が社会保険料。残りの80から、さらに税金を差し引いた分が手取りとなります。

(源泉徴収は、ナチス・ドイツが効率的、そして確実に税金を徴収するために開始した制度。日本でも戦費を確保するため、戦時中の1940年に導入。フランスには源泉徴収はありません)

2014年の社会保険料の内訳は公的年金保険 18.9%、健康保険 15.5%、介護保険 2.05%、失業保険 3% となっています。

その保証内容は、

公的年金保険

毎年届く年金通知に、およその受給額が記されています。未亡人年金は受給額の55%です。

例えば、夫の年金が1500ユーロで妻の年金が500ユーロという場合、夫に先立たれた妻が受け取る年金は1500x55%+500で1325ユーロ。

一方、妻に先立たれた夫が受け取る年金は500x55%+1500で1775ユーロと、450ユーロの差が生じます。

ドイツには働く女性が多いとはいえ、育児期間は働けなかったりするのでやや不公平な感じがしますよね。

それでも妻が自分名義の年金を受け取れるなら良いですが、自分名義の年金を持たない専業主婦の場合、夫に先立たれると、受給額は1500x55%で825ユーロ。

そこから健康保険料、家賃や生活費を支払うことになります。年金は、個人年金で補うことが大切なのです。

公的健康保険

基本的な治療は100%カバー。歯の詰め物などのマテリアル代、メガネ、代替療法などは保障されませんが、追加保険で補うことが可能です。

けがや病気で働けない場合、42日間は会社が給与全額を、43日目以降180日目までは健康保険が手取りの約7割を保障します。その後は公的年金が給付されますが、額はぐっと減ります。減った部分は事故保険や障害年金などでカバーすることができます。

介護保険

介護に必要な額の約半分を保障、フル介護では1500ユーロ以上が自己負担になります。自分で払えない場合は、子どもに支払い義務が生じますが、プライベート介護保険でカバーすることができます。

失業保険

それまで社会保障費を納めていた期間などによって半年から最長2年まで、手取りのおよそ6割が保障されます。また労働時間を短縮された場合にも、それまでの所得との差額の6割ほどが保障されます。

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