ニュースダイジェスト2014年12月991号に掲載の記事です。
前々回2014年10月3日発行(987)号の記事では、過去にない低利子時代の今、やはり住宅は買った方が良いというお話をしました。お金にかなり余裕のある方は別ですが、たいていの場合はやはり予算を鑑みて、妥協して住宅を選ぶことになると思いますので、今回はその際に気を付けるべきことを見ていきましょう。
目次
経済面で気を付けること
住宅購入の金額は普段の買い物とは桁違いであるにもかかわらず、せっかく買うのだから、一生に一度の買い物だから、一度買ったら簡単には買い替えられないから……との理由で、より多くのお金を使うことを自分の中で正当化してしまいがちです。そうして住宅を購入し、後で住宅ローンが重荷になってしまうということは、実際によくある話です。
また、住宅ローンが足かせとなり、もっとやりたい仕事があるけれど、給与が下がり、ローンの負担が大変になるから仕事を変えられない、独立したいけれど住宅ローンを支払っていけるかどうか不安……というように、自身の将来の方向性に関わってくることもあります。
だからこそ、より早くローンの返済ができれば、その後は家賃が不要となるので、より豊かな生活や仕事の選択が叶うようになるかもしれません。
目的はマイホームを持つこと自体ではなく、それによって生活をより豊かにすることであるはずです。ですから、「あなたの収入なら、このくらいの住宅が買えますよ」というセールストークには、決して安易に乗せられないようご注意ください。
住宅購入は、これから住むところを買うというだけでなく、老後までの人生設計に関わってくる事柄です。幸いドイツでは、教育費の負担が日本ほど多くないですが、住宅を買ったは良いが、年金が足りないというようなことにならないように、長期的、総合的に考える必要があります。
また、もしも住宅ローンを残して死んでしまったら、病気や事故で働けなくなったら……そういったシミュレーションも必要です。その際には所有する住宅を手放し、より小ぶりで家賃の安いところへ移るのか、それとも保険でカバーできるようにしておくのかなど、ローンの返済以外に掛かる費用のことも考えておく必要があります。
その広さ、本当に必要?
住宅を探すのは、楽しいプロセスですよね。子どもが2人いるから、少なくとも3LK、客間も欲しいから4LK、書斎も必要となると5LKかな……と夢は膨らみます。しかし、本当にその広さの住宅が必要ですか?
例えば子ども部屋。子どもが複数いても、それぞれの部屋が必要になるのは、実際には10歳以降のわずか10年程です。今35歳で子どもが10歳と8歳、自身が85歳になるまでその家に住むと仮定すると、それぞれの子どもに自分の部屋が必要なのは、50年間のうち、わずか2割程度なのです。子どもが独立して余った部屋は、スペースがなければ捨ててしまう「本当は不要な物」のための物置きになってしまうというのもよくあるパターン。そのために、本当に高い買い物をする必要があるのでしょうか。
節約しようと思えば、例えば窓が2つある部屋があれば、子どもが10歳になったら壁で仕切って部屋を2つに分けることもできます。子どもが巣立った後は壁を取り払って書斎や客間にすることもできます。あるいは、子どもが巣立った後に夫婦で住むための住宅を購入し、子どもがいる間は賃貸住宅に住むという方法もあります。このように考えれば、無理だと思っていた住宅購入の選択肢が広がり、購入が叶うかもしれません。また、無駄にお金を使うことなく、趣味や旅行に費やすお金ができて、人生をより楽しめるかもしれません。
住宅購入について考えるということは、人生設計を考えることにもなります。ぜひ楽しんでください。
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