2014年新年号のドイツニュースダイジェスト第969号掲載の記事です。
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あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。今年1年の皆様のご健康を願って、今回は「健康」をテーマにお話しします。
前回お話しした通り、法定健康保険では少子高齢化により保障内容が削られ、今後もこの傾向は続きそうです。
保険対象外のもので必要頻度が高いのが歯の治療。通常の歯科治療ならば、費用は法定健康保険で100%カバーされますが、歯の詰め物やクラウン、インプラント、ブリッジなどのマテリアル代は、その一部しか保障されず、大部分は自己負担となります。
大きな治療になれば、負担額は数千ユーロにも上り、家計を圧迫することになりかねません。大きな治療の際は相見積もりを取り、値段と治療内容が適切かどうかを確認することをお勧めします。
このような費用は、歯の追加健康保険への加入によって保障することが可能となります。保険料は、請求代金のうちの補償割合によって変わってきます。例えばベーシックなものであれば、請求額の7割補償で約10ユーロの月額保険料から加入できます。
また、法定健康保険とパートナーシップを組む保険会社の追加健康保険には、ボーナスプログラムやキャッシュバックなどの加入特典を用意しているところもあります。
エスプレッソマシンや旅行などの景品が当たるという場合もありますが、キャッシュバック・プログラムにより、ベーシックな歯の保険が実質自己負担なしで加入できることもありますので、これを利用しない手はありません。
そのために、法定健康保険会社の変更を検討することは十分に価値があります。
法定健康保険では、保険会社を変更しても保険料や基本的な保障内容は変わりません。また、変更に伴う手数料も待機期間もなく、新たな健康診断も不要なので、リスクは伴いません。変更可能な年齢は55歳までです。
歯の追加健康保険には、例えば8カ月などの待機期間があり、加入後もその期間に受けた治療は保障されません。また、最初の5年程は保障限度額が設定されていることが多く、大きな治療はカバーしきれません。
問題が起きてからではなく、歯が健康なうちに加入しておくことが大切です。
追加健康保険では、歯以外にも次のような内容を保障することができます。入院時のチーフドクターによる治療、1人または2人部屋での入院、通院時の予防的措置、自然療法士による代替治療(ホメオパシーやマッサージ、鍼灸など)。その他、メガネ、コンタクトや補聴器、入院・病欠補助費、日本を含む欧州連合(EU)域内での緊急治療費(法定健康保険だけでは、日本での治療費はカバーされません)。
死因ナンバーワンの疾患は、欧米では循環器系の病気ですが、日本人の場合はガンです。事故により障害が残る確率はかなり低いかもしれませんが、半数近くの人が今後ガンになる可能性があると言われる現在、罹ってからではなく、予防や様々な治療法について、誰もが予め勉強しておく必要があるのではないでしょうか。
最低限の保険に入ることも必要ですが、最も大切な保険は「健康でいること」ではないでしょうか。
収入の担い手であるお父さん、家族を支えるお母さんのどちらが倒れても、家族にとっての損失は甚大です。もちろん、突発的な事故や自分では避けられない病気もありますが、普段から食事に気を配り、運動を心掛けることで未然に防ぐことができるものもあります。
また、仕事ができなくなる一番の原因は事故でも体の病気でもなく、心の病気と言われます。精神面のケアも、現代人にとっては大きな課題となっています。
それでは、2014年の皆様のご健康とご多幸をお祈り致します。