日本の国民年金 VS ドイツ個人年金

ドイツニュースダイジェスト985号に掲載の記事です。

国民年金いったいいくら受け取れるの?

Elderly Couple With Little Black Dog日本の国民年金の加入1年当たりの受給額は約2万円となっています。月額保険料は20数年前が1万円で、現在は1.5倍の約1万5250円。そして今後も上がり続けます。

少子高齢化に加え、約40%もの未納者がいるとされ、保険料の引き上げだけでは間に合わないので、今後は受給額も2、3割程度減額となる可能性があります。すると、保険料に対する受給額という点で魅力が減ってしまいます。

また、現在改革中ですが、日本の年金の多くは日本国債で運用されており、今のところ他国と比べても運用益が高くない上、膨らみ続ける日本の借金や円という通貨自体の価値がどうなるかという不確定要素もあります。

国民年金は遺族補償がない?

国の年金は個人資産ではないため、将来国がどう分配するか分かりません。また、加入者が亡くなった場合、18歳未満の子どもがいなければ、配偶者には1円も支給されません。

たとえ40年間加入したとしても、受給直前で亡くなってしまえば、全く受け取れないのです。一方、個人年金であれば、配偶者や遺族が受給することができます。

所得税控除が面倒

日本の国民年金をドイツで所得税控除するには、年金料証明を取り寄せ、場合によっては公式の翻訳が必要になりそのコストもかかったりとなかなか面倒です。

任意加入しないと納めた保険料が無駄になる?

国民年金の受給資格期間は2015年より10年に短縮され、ドイツでの滞在期間も資格期間に加算されます。たとえ日本で3年しか国民年金に加入していなかったとしても、ドイツに7年以上住んでいれば受給資格要件は満たすため、それまでに支払った保険料は無駄にはなりません。

未加入では障害基礎年金が受け取れない

国民年金加入により受給できる年金には、老齢年金のほかに障害基礎年金がありますが、任意加入していなければ障害基礎年金は給付されません。1級障害基礎年金は2013年度価格で月額約8万円。ドイツでも就業期間が長くなれば、法定の障害年金が受給できます。また、障害年金保険や事故保険に加入して不足分を補うことも可能です。

結局、どうすれば良いの?

駐在員の方の場合、5年以内の滞在では通常日本で引き続き厚生年金などの保険料を納めています。ワーホリや数年以内の短期滞在予定の方、学生の方などは、国民年金に任意加入していないケースが多いようです。その場合、日本の障害年金の受給資格がないので、比較的安価なドイツの事故保険でカバーするという方法があります。事故保険では、例えば月額約10ユーロでも最高保証20万ユーロ+最高月額障害年金900ユーロの補償が得られます(事故保険では、病気による障害は保証されません)。

将来は日本に帰国される予定の方でも、ドイツ滞在中はユーロで老後の資金を積み立てておくことにより、通貨分散によるリスク回避ができるという考え方もあります。長期滞在者で税金を納めている方は国民年金への任意加入をせず、その分、ドイツで個人年金に加入した方がより効率的に老後の資金を準備できるのではないかと思います。

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