ドイツには KSK(Künstlersozialkasse : 芸術家社会保障)という芸術家を支援する社会保障制度があります。この制度を利用することで収入の少ないアーティスト・作家・ジャーナリストは健康保険料を節約できて、ドイツの国の法定年金に加入し、KSKが社会保障費の半額を負担してくれます。
目次
対象者
対象となるのは、
・音楽家・画家・彫刻家・写真家などの芸術家および芸術教師
・フリーランスのライター、著者・ジャーナリストなど。
・翻訳家:翻訳内容が映画や文学作品などの場合。一般的な翻訳は対象外です。
条件
・上記の職業としての年収(見込みまたは数年以内の見込み)が 3900€(月平均325€)以上
・上記の職業がメインの仕事で収入の大部分を占めていること。
・ドイツ国内の顧客に対しての仕事もしていること。ドイツに住んで、ドイツで仕事(作業)をしていても、顧客が全てドイツ国外である場合には加入できません。
・翻訳家の場合は、仕事の大部分が映画の翻訳などアート関係である必要があります。
・Webデザイナーの場合、デザインが仕事の大部分である場合は対象となりますが、Webサイト作成・管理の仕事がある程度以上あると対象外となります。
・学生の場合、週20時間以上仕事をしている場合は加入可能
・有効な滞在ビザが求められる場合もあり
社会保険料
KSKは社会保障制度の名称で保険会社ではありません。KSKに加入しても法定健康保険またはプライベート健康保険に加入します。またKSKに加入すると法定年金にも加入することになります。そして、これらの社会保障費の半分はKSKが負担します。
■ 健康保険料 – KSKに加入していない場合
KSKに加入していないフリーランサー通常の毎月保険料は約400€、扶養家族は無料です。
月収の見込みが、約2283€に満たず、資産などを保有していない場合は、減額申請ができます。その場合の毎月保険料は約260€となります。(料金は介護保険を含む)
■ 社会保険料 – KSKメンバー
KSKに加入すると収入の約18%の保険料を納めます。内訳は
・健康保険+介護保険 約9%
・法定年金 約9%
健康保険は掛け捨てですが、法定年金は将来年金として受給します。月収が1000€あたりの毎月保険料は約180€ということになります。
■ 補助金受給権を得られる
国の社会保障に加入することになるので、リースター年金の補助金を受給することもできます。どちらにしても法定年金のみでは年金としては不十分ですので、国の補助金を利用するのは有効です。また年金保険で税金が控除できる制度もあります。
加入申請サポート
KSKへの申請サポート、加入後のリースター補助金や税金控除となる年金制度等のサポートを致します。お問い合わせください
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