フリーランスと健康保険

2014年7月4日発行のドイツニュースダイジェスト981号に掲載の記事に加筆訂正しました。

主婦(主夫)がフリーランスの仕事を始める

Three Doctors2013年から滞在ビザの条件が変わり、配偶者ビザで滞在している人でも仕事に就いたり、フリーランサーとして仕事ができるようになりました。また、子どもがある程度大きくなったので、自分の特技を生かしてフリーランサーとして働きたいという方もいらっしゃるでしょう。

その際にネックとなるのが健康保険。ある方は、見本市などでの通訳を始めて最初の年に5000ユーロ程の収入を得て喜んだのも束の間、いきなり4000ユーロ以上もの法定健康保険料を、さかのぼって支払わなければならなくなったそうです。

プライベート健康保険に加入している場合は問題ありませんが、法定健康保険に家族加入している場合は、平均月収が415ユーロ(2016年)を超えると、自分名義で保険に加入しなければならず、毎月約380ユーロ(2016年)の保険料が掛かるのです。

新たにプライベート健康保険加入する場合

月額の保険料は抑えることができるかもしれませんが、いったんプライベート健康保険に加入すると、法定健康保険に再加入することは難しく、老後の保険料が高く付くことになります。その分、年金保険などで貯蓄しておく必要があるので、必ずしも安く済むわけではありません。また治療歴や既往症によっては追加料金が掛かったり、加入できない場合もあります。

配偶者がフリーランス登録をして家族内雇用をする方法

配偶者がフリーランス登録をして、自分はミニジョブ形態で雇われるという方法もあります。

この場合の利点として、①ミニジョブ自体は非課税、②健康保険は家族加入のままでOK、③社会保険料を支払い、リースター年金の補助金を得ることができるので、子どもがいる場合には少ない自己負担で手厚い補助を受けられる(例:2008年以降に生まれた子どもが2人いる場合は、年間60ユーロの自己負担額で同754ユーロの補助金が受給できる)、④配偶者はフリーランサーとして、仕事部屋・事務用品・郵便などを控除できることなどが挙げられます。

その代わり、配偶者は雇用主負担として、ミニジョブ額の約30%の社会保険料などを納めます。また、配偶者のフリーランス収入が一定以上になると、法定健康保険料が増額になることもあり、この方法がどのくらい有効であるかは、状況によって異なります。

場合によっては、配偶者名義で仕事をして配偶者の収入とすれば、家族ない雇用の形態をとらずとも法定健康保険は無料で家族加入にすることもできます。

旅行健康保険からの切り替え

ドイツで新たにフリーランスで仕事を始める場合、通常はプライベート健康保険を勧められますが、任意で法定健康保険に加入すれば、将来結婚して子どもを持った場合にも扶養家族は無料で加入できます。

法定健康保険には、税務署にフリーランス申請をする1日以上前に加入しなければならず、旅行健康保険などは税務署申請の2日前までに解約しておく必要があります。仮の保険加入証で滞在ビザを申請しますが、366日以上のビザが下りなければ、法定健康保険には加入できません。自治体によっては、事前に指定しないと365日のビザしか発行してもらえず、1日違いで法定健康保険に加入できないということもあります。ここで加入できないと、下手をすると一生加入できないことにもなり得るので要注意です。

芸術家・ジャーナリスト・著作家の場合

芸術家社会保険(Künstlersozialkasse、以下KSK)という制度があり、音楽家や写真家・ダンサーなどの芸術家または芸術教師、ジャーナリストや著作家などで、そのフリーランスでの活動が主な収入源で複数の仕事先がある場合にはKSKに加入することができ、法定健康保険にも加入できます。月収395ユーロ以下の制限もなく、収入に応じて保険料を支払い、しかもKSKが社会保障費を半分負担してくれます。

* 記事内の保険料には法定介護保険料も含まれます。

* ご質問・ご相談等ございましたらお気軽にお問い合わせください。

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