確定申告をしてみよう!

EKST-624x351日本でもドイツでも、被雇用者であれば所得税は有無を言わさず源泉徴収されていますが、これは見方によってはかなり強引な制度で、勝手に召し上げられて、申告しなければそのままになってしまうというわけです。

予め税収入を確保できるこの制度は、国家にとっては都合が良いため、多くの先進国で取り入れられていますが、お隣のフランスでは、そういうことを許さない国民性なのかか、税金も社会保障費も源泉徴収制度はなく、収入のある人は皆、確定申告をしなければなりません。

確定申告で一体何が控除されるのか、いくら戻ってくるのか、申告はどのように行うのか、費用はどのくらいで、割に合うのか……といった疑問をお持ちの方は多いと思います。

確定申告は4年遡って可能です。例えば、2014中であれば2010年からの申告が可能です。被雇用者の場合、まず無条件で年間1000ユーロが控除されます。

その他にも、限度額や制限はあるものの、通勤費や健康保険料、年金保険料、医療費・薬代、治療に通う交通費、処方されたメガネ・コンタクトレンズ代、訴訟・離婚・葬式に掛かった費用、引っ越し費用、幼稚園・ベビーシッターなどの子どもの養育費、小学校の放課後学習・私立学校の授業料、親や離婚相手の扶養費・介護費、住居の改装や修繕に伴う人件費、確定申告費用などが控除の対象となります。

それらの各項目には、さらに細かい規定があります。

例えば引っ越し費用に関しては、それが仕事の都合によるもので、通勤時間が1時間以上短縮される場合は、費用はもちろん、引っ越しの際に破損した物の修理代、手伝ってくれた人へのチップ、不動産仲介手数料、住居の下見のための交通費(自家用車の場合0.30ユーロ/km)、引っ越し前後で二重に支払った賃貸料(状況による)、引き払う住居の改装費、車の登録変更費用、電話契約の変更費用、子どもが学校に通えない期間があった場合には、学習を補完するための費用などが控除されます。

また、医師の証明書があれば健康上の理由で引っ越しが必要になった場合にも上記項目が控除されます。プライベートな理由での引っ越しの場合も、上記のものが控除対象となりますが、控除額には制限があります。

その他については、以下のリンクの確定申告チェックリストをご参照ください
https://dj-finanz.de/steuererklaerung-check-list/

申告には証拠書類が必要です。自家用車での交通費などは、自分で記録しておきましょう。

確定申告用に毎年1冊ファイルを用意して、そこに項目別に証拠書類(レシートなどはA4の紙に貼り付ける)をすべてファイリングしていけば、その年の最後には自動的に提出書類がまとまるので、後から書類を探す手間が省けます。

なお、証拠書類は10年間保存しなければなりません。感熱紙に印刷されたレシートなどは文字が消えてしまうので、コピ−を取ったり、写真を撮っておくと良いでしょう。

 

その他、確定申告に関しては以下の記事をご参照ください。