フリーランス・個人事業主の請求書作成(ドイツ)

フリーランスや個人事業を始めると、本業以外にも様々な事務作業がつきものです。請求書作成・会計書類の整理、税務署からの書類の対応など、きっちりとしておかないと後で時間やお金がかかってしまうことがあります。

請求書の作成

・請求書は税務署に認められる形式で作成しなければなりません。

・150€以上の請求では、領収書は有効ではありません。宛名を記した請求書を発行する必要があります。逆に言えば、購入した商品やサービスを経費にしたり売上税を還付するためには、自分の名前と住所の入って相手からの請求書が必要です。

必要項目

以下に請求書やレターを作成する時に必要な項目です。

請求書の言語はドイツ語または英語でも構いません。

・相手の会社名(法人格まで正確に)や個人名

・相手の住所

・自分の氏名(フルネームで)

・住民登録の住所

・Steuernummer(税金番号)

・Umsatzsteuer Identifikationsnummer (VAT-ID番号:売上税番号:お持ちの場合)

・請求書の発行日(ドイツ式では日.月.年の順、例:20.10.2014)

・連番の請求書番号(番号が飛んだりしてはならない)

・内容記載:商品であれば商品名・個数と出荷日、サービスであればその内容と行われた期間や日

・請求額・売上税率・売上税額

・売上税がかからない場合はその理由を明示(以下参照)
 

義務ではないが通常記載する項目

・Bankverbindung: (取引銀行)

・IBAN: (銀行口座情報)

・支払い期限: 例 2週間以内 例:Bitte überweisen Sie den Betrag auf unten stehenden Bankkonto innerhalb zwei Wochen. Vielen Dank!

請求書作成で気を付けること

名称について

個人事業主の場合の社名は身分証明書(パスポート)記載のフルネームになります。勝手に他の社名をつけることはできません。ロゴなどで屋号をつけることはできます。
 

■売上税について

売上税(Umsatzsteuer:商品やサービスにより7%または19%)を明示するかしないかは税務署にあらかじめ申告します。

年間売上(利益ではない)が17,500€未満であれば明示義務はありませんが、これを超えると明示義務があります。明示義務がなくても、仕入れ販売のような業種では明示したほうが良い場合もあります。

売上税を明示する場合には、税抜き額・売上税額・税込み額の3つの額面を明示します。

 

■ 売上税免除の際の表示

売上税を明示しない場合は、その理由が示されなくてはなりません。

 

♢ 小規模事業の場合(年間売上17500€未満で Kleinunternehmer として登録している場合)

売上が17,500€未満のKleinunternehmerregeln(小規模事業ルール)が適用の場合は、以下の表示をします。

Als Kleinunternehmer im Sinne von § 19 Abs. 1 UStG wird Umsatzsteuer nicht berechnet.

 

♢ 日本などEU圏外へのサービスや物品輸出の場合

この場合は、小規模事業者でなくても売上税はかかりません。以下のように表記します。

Als die Leistungen von der Ausführlieferungen/Vermittlungen nach §4 UStG wird Umsatzsteuer nicht berechnet.

その他、職業(芸術家、教育関係など)と条件によっては表示義務を免除されたり軽減税率が適用されることもあります。その場合は別途管轄の役所での手続きが必要です。

♢ EU圏内へのサービスや物品輸出の場合

1.自分が小規模事業者(Kleinunternehmer)の場合:売上税(VAT)は明記しない。そうでない場合は以下

2.相手が最終消費者の場合:売上税(VAT)を明記します。

3.相手が事業者の場合:

・VATは記載なし

・VATは相手が相手の国で税務署に申請

・自分のVAT-ID(UST-ID)を必ず記入

・相手のVAT-IDを記入

・”Steuerschuldnerschaft des Leistungsempfängers” と記入

 

請求書テンプレートとソフトウエア

自分でワード等で作成する場合は、以下より請求書のテンプレートをダウンロードできます。

https://rechnungen-muster.de/rechnungsvorlagen#rechnungsvorlagen
 

無料のオンライン請求書作成ソフトウエア 

請求書の作成はワードやエクセルを使っても構いませんが、ブラウザ上で使えるオンライン上の専用ソフトを使って作成するほうが間違いもなく作成も管理も簡単です。売上の統計表示や未払い請求の管理もできます。

オンラインソフトはインストールの必要もなく、ネット環境さえあればアクセスできます。またデータは自分のパソコンではなくネット上に保管されているので、パソコンが壊れても失うことはありません。以下無料で使えるものをご紹介します。

  

Zervant https://www.zervant.com/

Zervantはサイトも請求書も英語・ドイツ語・フランス語・フィンランド語・スウェーデン語の5ヶ国語が使えます。全ての通貨を使用可能です。シンプルで使い安いソフトです。

   

Smallinvoice.de  www.smallinvoice.de

こちらはドイツの事業者用の請求書を作成しますがインターフェイスは英語とドイツ語、請求書はその他フランス語・イタリア語の4ヶ国語での請求書発行ができます。また全ての通貨を扱うことができます。Zervantよりも高機能ですが、その分少し複雑です。

請求書の発送

請求書は郵送またはPDFをメールで送信します。ワードやエクセルデータの場合はそのままでは変更ができないようにロックをかけてください。直筆のサインは必要ありません。

一枚は印刷し税務署に申告用の証拠書類として手元に保管します。手元に保存してあるものと、先方に渡したものは同一内容でなければなりません。

一旦発効した請求書は同じ請求書番号で内容を変更・修正することは基本的にできません。変更が必要な場合は、発行した請求書はその番号のままで取り消し、新たな番号で請求書を書き直します。

  

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